基本情報技術者試験過去問 令和8年度(2026年)科目B問6
A社は,従業員1,000名の広告代理店である。A社では,各部署がA社の社内ネットワークに設置したファイルサーバを,設置した部署の運用担当者が管理している。
各部署で新たなクラウドサービスを利用する場合,各部署の責任者の承認のもと契約し,各部署の運用担当者が管理している。
営業部では,営業部がA社の社内ネットワークに設置したファイルサーバ(以下,Yサーバという)及び顧客管理のためのクラウドサービス(以下,Zサービスという)を利用している。営業部の各従業員にはYサーバの一般利用者アカウントが割り当てられ,Yサーバ上の全てのファイルが編集可能である。また,営業部の各従業員には,Zサービスの一般利用者アカウントが割り当てられ,営業部の運用担当者には,YサーバとZサービスの管理者アカウントが割り当てられている。
情報セキュリティ部門では,クラウドサービスに関連した情報セキュリティインシデントの発生に備えて,各部署で利用しているクラウドサービスのログ管理に関するルールを図1のとおりに整備した。

営業部の情報セキュリティリーダーであるB課長は,運用担当者のC主任及び情報セキュリティ部門の協力を得て,図1のルールが順守されているかどうかを調査した。B課長は,Zサービスでの現在の運用の中で,図1のルールに違反しているものを表1のとおりまとめた。

設問 表1中の運用のうち,図1のルール3に違反しているものの項番だけを全て挙げた組合せを,解答群の中から選べ。
選択肢
- ア:(一),(二)
- イ:(一),(二),(三)
- ウ:(一),(二),(四)
- エ:(一),(三)
- オ:(一),(三),(四)
- カ:(一),(四)
- キ:(二),(三)
- ク:(二),(三),(四)
- ケ:(二),(四)
- コ:(三),(四)
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
- カ
- キ
- ク
- ケ
- コ
正解と解き方・学習ポイント(AI解説)
図1のルール3は、ログへのアクセスを運用担当者だけに限定し、運用担当者は複数名にすることなどを求めています。
表1のうち、(二)は運用担当者がC主任の1名だけになっており「運用担当者は複数名にすること」に違反します。
(四)はログを毎月末にエクスポートしてYサーバに保管しているため、Yサーバ上で営業部の全従業員が編集できる状態になり得ます。これは「運用担当者だけがログにアクセスできるようにすること」に違反します。
したがって、ルール3に違反しているのは(二)と(四)で、正解はケです。
- ア:不正解
- イ:不正解
- ウ:不正解
- エ:不正解
- オ:不正解
- カ:不正解
- キ:不正解
- ク:不正解
- ケ:正解
- コ:不正解
Point
クラウドサービスのログ管理ルールのうち、アクセス管理(誰がログにアクセスできるか、どこに保管し、どのようにアクセス制限するか)を文章から読み取り、実際の運用が要件を満たすかを項目ごとに判定する力を身に付けることがねらいです。
解くために必要な知識
この問題を解くには、クラウドサービスのログ管理ルールのうち、特にログのアクセス管理に関する要件を読み取る知識が必要です。
用語の整理
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ログ | システムやサービスの利用履歴、操作記録です。誰が、いつ、何をしたかなどが記録されます。 |
| クラウドサービス | インターネット経由で利用するサービスです。 |
| エクスポート | クラウドサービス内部のデータ(ここではログ)を外部に出力して保管できる形にすることです。 |
| 運用担当者 | システムやサービスの設定、利用者管理、監視などを担当する人です。 |
| ファイルサーバ | ネットワーク上でファイルを保存、共有するサーバです。 |
| 2要素認証 | 2種類の要素(例: パスワードとワンタイムパスコード)を組み合わせて認証する方式です。 |
他の選択肢に出てくる用語
| 用語名 | 意味 |
|---|---|
| UTC | 協定世界時です。日本標準時はUTCに9時間を加えた時刻です。 |
| 日本標準時 | 日本で使う標準の時刻(JST)です。 |
| ログの保管期間 | 過去のログを参照できるように保存しておく期間です。 |
ルール3で確認すべき観点
1. ログにアクセスできる人の制限
- ルール3は、ログを見られる人を運用担当者に限定することを求めています。
2. エクスポートして保管する場合の保管場所
- ルール3は、ログを社内に保管する場合の置き場所を「社内ネットワークに設置した自部署のファイルサーバ」としています。
3. エクスポート後のアクセス制限
- ルール3は、保管したログも運用担当者だけがアクセスできる状態にすることを求めています。
4. 運用担当者の人数
- ルール3は、運用担当者を複数名にすることを求めています。
5. 運用担当者のログイン方法
- ルール3は、運用担当者がクラウドサービスにログインする際に2要素認証を必要とすることを求めています。
問題の解法手順
ルール3で求めていること
-
運用担当者だけがログにアクセスできるようにすること
-
クラウドサービスからログをエクスポートして保管する場合は、社内ネットワークに設置した自部署のファイルサーバに保管し、運用担当者だけがアクセスできるようにすること
-
運用担当者は複数名にすること
-
クラウドサービスへの運用担当者のログインには、2要素認証を必要とすること
表1の各項番をルール3に照らして判定する
| 項番 | 表1の内容 | ルール3との関係 | 判定 |
|---|---|---|---|
| (一) | 空き容量が一定値以下で古いログから上書き | ログ保存期間の問題であり、ルール4が対象 | ルール3違反ではない |
| (二) | 運用担当が2名から1名になった | 「運用担当者は複数名にすること」に反する | ルール3違反 |
| (三) | ログの日時がUTCで記録 | ルール2は「日本標準時での日時」を求めるためルール2が対象 | ルール3違反ではない |
| (四) | 毎月末にログをエクスポートしYサーバへ保管 | Yサーバは営業部の全従業員が編集可能であり、運用担当者だけがアクセスできる状態にできていない | ルール3違反 |
結論
ルール3違反は(二)、(四)なので、組合せはケです。
まとめ
図1のルール3は、ログへのアクセスを運用担当者だけに限定し、運用担当者は複数名にすることなどを求めています。
表1のうち、(二)は運用担当者がC主任の1名だけになっており「運用担当者は複数名にすること」に違反します。
(四)はログを毎月末にエクスポートしてYサーバに保管しているため、Yサーバ上で営業部の全従業員が編集できる状態になり得ます。これは「運用担当者だけがログにアクセスできるようにすること」に違反します。
したがって、ルール3に違反しているのは(二)と(四)で、正解はケです。