基本情報技術者試験過去問 令和8年度(2026年)科目A問5
仮想記憶方式のコンピュータシステムにおいて,処理の多重度を増やしたところ,ページイン,ページアウトが多発して,システムの応答速度が急激に遅くなった。このような現象を何というか。
選択肢
- ア:オーバレイ
- イ:スラッシング
- ウ:メモリコンパクション
- エ:ロールアウト
- ア
- イ
- ウ
- エ
正解と解き方・学習ポイント(AI解説)
仮想記憶方式で処理の多重度を増やすと、主記憶が不足してページインとページアウトが頻繁に発生し、処理時間の多くがページの入替えに使われて応答速度が急激に低下することがあります。この現象はスラッシングといいます。
Point
仮想記憶方式において、多重度を上げ過ぎたときにページインとページアウトが増え、応答速度が急激に低下する現象名を答えられるようにすることが目的です。
解くために必要な知識
この問題を解くには、仮想記憶方式とページの入替えに関する用語を理解している必要があります。
用語の整理
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 仮想記憶方式 | 主記憶が不足する場合に、補助記憶装置(SSDやHDDなど)を使って、見かけ上、主記憶を大きく扱う方式です。 |
| ページ | 仮想記憶で主記憶と補助記憶装置の間で入れ替えるデータの単位です。 |
| ページイン | 補助記憶装置から主記憶へページを読み込む操作です。 |
| ページアウト | 主記憶から補助記憶装置へページを書き出す操作です。 |
| スラッシング | 処理の多重度を上げた結果、主記憶が不足してページインとページアウトが頻発し、CPUがプログラムの実行よりもページの入替えに時間を使い、処理性能や応答速度が急激に低下する現象です。 |
他の選択肢に出てくる用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| オーバレイ | プログラムをいくつかの部分に分けて、実行時に必要な部分だけを主記憶に読み込んで実行する手法です。 |
| メモリコンパクション | 主記憶上に散在する空き領域を移動、統合して、連続した空き領域を確保する操作です。 |
| ロールアウト | 実行中のプログラムなどを一時的に主記憶から補助記憶装置に退避させる操作です。 |
問題の解法手順
| 選択肢 | 内容 | 正誤 |
|---|---|---|
| ア:オーバレイ | プログラムを分割し、必要な部分だけを主記憶に読み込んで実行する手法です。ページ交換が多発して応答が低下する現象名ではありません。 | ✕ |
| イ:スラッシング | 処理の多重度を上げた結果、ページイン、ページアウトが頻発し、応答速度が急激に低下する現象です。問題文の状況に一致します。 | ○ |
| ウ:メモリコンパクション | 主記憶上の空き領域を移動、統合して連続した空き領域を作る操作です。現象名ではありません。 | ✕ |
| エ:ロールアウト | 実行中のプログラムなどを主記憶から補助記憶装置へ退避させる操作です。現象名ではありません。 | ✕ |
選択肢ごとの解説
- ア:不正解
オーバレイは、主記憶に載らないプログラムを必要部分だけ入れ替えて実行する方式です。ページインとページアウトの多発による性能低下という現象名ではありません。
- イ:正解
スラッシングは、多重度を上げ過ぎて主記憶が不足し、ページインとページアウトが過度に発生することで、入出力待ちが増え応答速度が急激に低下する現象です。問題文の状況に一致します。
- ウ:不正解
メモリコンパクションは、主記憶内の断片化(空き領域が細切れ)を解消するために、配置を詰め直して空き領域をまとめる操作です。ページ入出力の多発による性能低下とは別の内容です。
- エ:不正解
ロールアウトは、多重度の調整などでプロセス全体を補助記憶へ退避させること(スワップアウト)です。ページインとページアウトが多発する現象名ではありません。
まとめ
仮想記憶方式で処理の多重度を増やすと、主記憶が不足してページインとページアウトが頻繁に発生し、処理時間の多くがページの入替えに使われて応答速度が急激に低下することがあります。この現象はスラッシングといいます。
オーバレイは、主記憶に載らないプログラムを必要部分だけ入れ替えて実行する方式です。ページインとページアウトの多発による性能低下という現象名ではありません。
スラッシングは、多重度を上げ過ぎて主記憶が不足し、ページインとページアウトが過度に発生することで、入出力待ちが増え応答速度が急激に低下する現象です。問題文の状況に一致します。
メモリコンパクションは、主記憶内の断片化(空き領域が細切れ)を解消するために、配置を詰め直して空き領域をまとめる操作です。ページ入出力の多発による性能低下とは別の内容です。
ロールアウトは、多重度の調整などでプロセス全体を補助記憶へ退避させること(スワップアウト)です。ページインとページアウトが多発する現象名ではありません。