基本情報技術者試験過去問 令和8年度(2026年)科目A問6
図の回路のA及びBに信号を入力したときに,Yに出力される信号のタイミングチャートとして,適切なものはどれか。


選択肢
- ア
- イ
- ウ
- エ
正解と解き方・学習ポイント(AI解説)
図の回路は全てNANDゲートで構成されています。左の2つのNANDは入力がそれぞれ同一信号で束ねられているため、NOT(A)、NOT(B)として動作します。中央はNOT(A)とNOT(B)のNANDなのでA OR Bになります。右端は入力を束ねたNANDなので中央出力を反転し、Y = NOT(A OR B) = NOT(A) AND NOT(B)です。この条件に合うタイミングチャートは「イ」です。
Point
この問題は、NANDゲートの基本性質(同一信号を2入力に入れるとNOTになる)と、段ごとに論理式へ置き換える手順を使って、最終的な論理式とタイミングチャートを対応付けて判断できるかを確認することを目的としています。
解くために必要な知識
この問題を解くには、NAND回路と反転の等価関係、ド・モルガンの法則、タイミングチャートの読み方が必要です。
用語の整理
| 用語名 | 意味 |
|---|---|
| NAND回路(否定論理積) | ANDの結果を反転した回路です。入力が全て1のときだけ出力が0になり、それ以外は1になります。 |
| 反転(NOT) | 0を1に、1を0に変える論理演算です。 |
| ド・モルガンの法則 | NOT(X AND Y) = (NOT X) OR (NOT Y)、NOT(X OR Y) = (NOT X) AND (NOT Y) が成り立つ法則です。 |
| タイミングチャート | 信号が時間とともに0、1へ変化する様子を示した図です。 |
図表の読み取り方
NANDの見分け方
- AND形のゲートで出力に小さな丸が付く場合は、出力が反転されているためNANDです。
同じ信号を2入力に入れる意味
- NAND回路に同じ信号Xを2つ入れると、NOT(X AND X) = NOT X となり、反転器(NOT)として動作します。
解くための手順
手順1:段階的に論理式へ変換する
-
左の2段で NOT A、NOT B を作る。
-
中央でそれらをNANDして A OR B を得る。
-
右端でそれを反転して Y = NOT(A OR B) を得る。
手順2:Yが1になる入力条件を決める
- Y = (NOT A) AND (NOT B) なので、A=0かつB=0のときだけY=1です。
手順3:タイミングチャートから該当区間を探す
- AとBが同時に0の区間に対応してYが1になっている選択肢を選びます。
問題の解法手順
図表の読み取り
ゲート記号の確認
- AND形で出力に小さな丸が付く記号は、NAND(ANDの否定)です。
左側2つのゲート
左の上段と下段は、どちらも入力が1本だけでNANDになっています。
-
NANDは NOT(入力1 AND 入力1) なので、結果はNOT(入力)と同じです。
-
よって、上段は NOT A、下段は NOT B を出力します。
中央のゲート
中央はNANDなので、入力がNOT AとNOT BのNANDです。
-
出力 = NOT((NOT A) AND (NOT B))
-
ド・モルガンの法則より、NOT((NOT A) AND (NOT B)) = A OR B
右端のゲート
右端もNANDですが、入力が同じ信号1本(中央出力)が2入力に分岐しています。
-
NAND(入力, 入力) = NOT(入力)
-
よって、Y = NOT(A OR B)
-
さらに、NOT(A OR B) = (NOT A) AND (NOT B)
解く手順
1. 回路を論理式にする
- Y = (NOT A) AND (NOT B)
2. 各時間帯でA、Bを読み取る
- タイミングチャートの各区間でAとBが0か1かを確認します。
3. Yが1になる条件で判定する
-
Yが1になるのは、A=0かつB=0の区間だけです。
選択肢ごとの解説
- ア:不正解
Yが、AまたはBが1の区間で必ず0になる形になっていません。Y = NOT(A OR B)の条件と一致しません。
- イ:正解
AまたはBが1の区間でYが0になり、AもBも0の区間でYが1になっています。Y = NOT(A OR B) = NOT(A) AND NOT(B)と一致します。
- ウ:不正解
AまたはBが1の区間でもYが1になっている箇所があり、Y = NOT(A OR B)の条件と一致しません。
- エ:不正解
AまたはBが1の区間でYが0にならない箇所があり、Y = NOT(A OR B)の条件と一致しません。
まとめ
図の回路は全てNANDゲートで構成されています。左の2つのNANDは入力がそれぞれ同一信号で束ねられているため、NOT(A)、NOT(B)として動作します。中央はNOT(A)とNOT(B)のNANDなのでA OR Bになります。右端は入力を束ねたNANDなので中央出力を反転し、Y = NOT(A OR B) = NOT(A) AND NOT(B)です。この条件に合うタイミングチャートは「イ」です。
Yが、AまたはBが1の区間で必ず0になる形になっていません。Y = NOT(A OR B)の条件と一致しません。
AまたはBが1の区間でYが0になり、AもBも0の区間でYが1になっています。Y = NOT(A OR B) = NOT(A) AND NOT(B)と一致します。
AまたはBが1の区間でもYが1になっている箇所があり、Y = NOT(A OR B)の条件と一致しません。
AまたはBが1の区間でYが0にならない箇所があり、Y = NOT(A OR B)の条件と一致しません。